アーカイブ:2024年10月
2024.10.04
最新情報

10月2日(水)に開幕した第29回釜山国際映画祭で、その年のアジア映画産業に大きく貢献した人物を表彰する「アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞した黒沢清監督が、映画祭の公式記者会見に登壇いたしました。

釜山国際映画祭の印象を問われた黒沢監督は、「釜山映画祭には何度も来ていますが、今回は特別でした。名誉ある賞をいただいて、華やかなオープニングセレモニーに参加して…あんな華やかな場に参加出来たのは初めてで、あんなに長いレッドカーペットを歩いたのも生まれて初めてです。本当に楽しい体験でした。なにより昨日夜のレセプションパーティーの場で、いろいろな国の友人たちと会うことができました。フランスの友人、カナダの友人、香港の友人、もちろん日本の友人も。この釜山映画祭に世界の映画の縮図があるんだなと強く感じています。」と回答され、続いて、「世界で活躍する日本人監督、黒沢清監督…是枝裕和監督…河瀬直美監督…など、イニシャルがKの方が多いですね。黒沢監督が思う才能があると思う若手監督はいらっしゃいますか」と問われた黒沢監督は、「イニシャルがKなら北野武監督もいます」と返答。黒沢監督に指摘された記者は「大事な人を忘れていた!」といわんばかりに爆笑する場面も。その後、黒沢監督が「才能ある若い方はたくさん知っています。一番親しい、若手とはもう言えないかもしれませんが、一番有名なのは濱口竜介だと思います。でも彼は意地のように僕とは違うことをしますから(笑)。それであれだけすばらしい作品を撮っているんで、僕が濱口に対してなにか言うことはありません。えらいところに行ってしまったなという想いがあって、先へ先へと突き進んでくれというのが第一の僕のエールですね。たまにはジャンル映画を撮れ、これが2つ目です(笑)。」と回答されました。

さらに、オープニングセレモニーで、ポン・ジュノ監督からメッセージがあったことについて感想を問われると、「感激しました。ポン・ジュノ監督は昔から何度も会っていて、韓国の友人だと思ってきました。いまでは世界的な巨匠ですから。はるか雲の上の存在です。僕のことに時間を割いてコメントしてくれたんだ、というだけで感激しました。まだ友達でいてくれたんだと(笑)。」と黒沢監督らしい回答で会場を和ませていました。

またその日の夜、「ガラ・プレゼンテーション」部門の公式上映が行われ、黒沢監督の新作をいち早く観ようと駆けつけた若い映画ファンが集まり会場は満席。冒頭のインビテーションに登壇した黒沢監督は、大きな拍手で迎えられました。

その後、上映後におこなわれたQ&Aでは「菅田将暉さん演じる吉井が、善人でも悪人でもない人物から、悪魔に魅入られ、悪の道を選ぶことになる人物へ変化していく様子が非常に興味深かったです。監督はどのような演出をされたのでしょうか?」と韓国でも人気のある菅田さんに関する質問には、「本当にありがとうございます。僕もまさに同じように思ったんです。菅田将暉さんが、すばらしい感情の変化を表現してくれて。ここまでやっていただけると予想していなかったのです。ほんとうにすごく難しい役で、180度人間が変わっていく。どんどん変化していくんです。それの表現を飛躍しながら、観ている人にわかりやすく演じきる、これは菅田将暉さんの才能によるものだと思っています。僕ももっとも感心した部分だったので、それを指摘くれてほんとうに嬉しいです」と返答され、続けて、「僕は心、感情の流れについては説明しましたが、演技の指導はしていないんです。菅田さんに委ねました。さらに、ラストシーンはかなり前半に撮影したので、それがまたすごいなと。大胆な感情の変化を無理なく演じてみせる。そのシーンがどこにくるかを計算して演じている。100%菅田さんの力です。僕は細かいことはいっていません。」と、菅田さんを称え、作品の中で描かれる菅田さんが演じる吉井の細かな感情の揺れを理解してくれたことを喜んでいる様子でした。最後の挨拶を求められると「本当に有意義なQ&Aでした。釜山映画祭のお客さんは質問のレベルは高い。Q&Aを通して僕自身も作品への理解が深まりました。本当に嬉しい時間でした」と締めくくると、場内から黒沢監督へ大きな拍手がおくられました。

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2024.10.04
イベント

現在開催中の第29回釜山国際映画祭にて、黒沢清監督が「アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞されたことを記念し、トークイベントの開催が決定いたしました!

10月15日(火)にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて、主演の菅田将暉さん、黒沢清監督に登壇いただきます!また当日はお二人に、公式Xで皆さまから寄せられた質問にお答えいただきます。

<質問応募方法>
『Cloud クラウド』公式Xをフォロー
②【#映画クラウド質問】を付けて菅田将暉さん、黒沢清監督にお聞きしたいことを投稿してください!

<質問募集締め切り>
10/14(月・祝)20:00

投稿してくださった方の中から抽選で2名様に、SHIPSとのコラボTシャツをプレゼント!

詳しくは公式Xの投稿をチェックください✅

皆様のご来場、ご参加をお待ちしております。

<舞台挨拶開催概要>
【日時】2024年10月15日(火)17:30の回 ※上映前 舞台挨拶

【会場】TOHOシネマズ六本木ヒルズ
東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内

【登壇者】菅田将暉さん、黒沢清監督
※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。

<チケットご購入について>
チケットぴあにて販売いたします

【先行抽選プレリザーブ】
受付期間 10月8日(火)AM11:00~ 10月11日(金)AM11:00
結果発表 10月11日(金)18:00頃から順次

【一般販売】
10月12日(土)AM10:00 ~ 10月14日(月)16:00まで
※予定枚数に達し次第、販売終了

【料金】特別料金2,500円(通常席)
・プレミアボックスシート:ご鑑賞料金+1,000円
・プレミアラグジュアリーシート:ご鑑賞料金+3,000円

【購入制限】お一人様2枚まで

≪一般発売に関する注意事項≫
※チケットぴあサイト WEBのみの販売となります。
※決済方法はクレジットカード・後払い Powered by atoneのみとなります。
※毎週(火)・(水)2:30~5:30は、システムメンテナンスのためお申し込みいただけません。
※チケット料金・各種手数料は税込表示です。
※チケット購入に関するお問合わせは、http://t.pia.jp/help/ までお願いいたします。

≪残席がある場合の対応について≫
10/15(火)0:00より劇場オンラインチケットシステムにて、劇場オープン時刻より劇場窓口にて販売いたします。
※オンラインにて完売した場合、劇場窓口での販売はございません。

【その他ご鑑賞についての注意事項】
※特別興行の為、ムビチケカード他、前売鑑賞券・各種招待券は、ご使用いただけません。
※お席はお選びいただけません。
※全席指定席となります。チケットをお持ちでない方はご覧になれません。
※いかなる場合においても舞台挨拶中の途中入場は固くお断りいたします。
※場内でのカメラ(携帯電話含む)・ビデオによる撮影、録音等は固くお断りいたします。
※会場内ではマスコミ各社の取材による撮影、記録撮影が行われ、テレビ・雑誌・ホームページ等にて、放映・掲載される場合がございます。また、イベントの模様が後日販売されるDVD商品等に収録される場合がございます。予めご了承ください。お客様の当催事における個人情報(肖像権)については、このイベントにご入場されたことにより、上記の使用にご同意いただけたものとさせていただきます。
※インターネット・オークションへの出品その他の転売目的での入場券の購入及び転売はお断りします。
※営利を目的として転売された入場券及びインターネットを通じて転売された入場券は無効とし、当該入場券による御入場はお断りします。
※イベントの予定は、急遽変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※いかなる事情が生じましても、ご購入後・お引き換え後の鑑賞券の変更や払い戻しはできません。
※イベント上映のチケットを、プレイガイド(チケットぴあ、ローソンチケットなど)でご購入されたシネマイレージ会員様は、劇場チケットカウンターでご鑑賞当日にシネマイレージの鑑賞履歴をご登録いただけますので、お立ち寄りください。
※車いすでのご鑑賞をご希望されるお客様は座席指定券の購入後、劇場までご連絡ください。車いすをご利用のお客さまは車いすスペースでのご鑑賞となります。車いすスペースには限りがありますので、ご利用人数やイベント実施内容によっては所定のスペース以外でご鑑賞いただく場合がございます。

2024.10.02
最新情報

10月2日(水)、第29回釜山国際映画祭が開幕し、オープニングセレモニーでは、名誉ある<アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞>の授賞式も行われ、黒沢清監督が登壇しました。

<アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞>は同映画祭がその年のアジア映画産業に大きく貢献した人物を表彰するもので、これまで、鈴木清順監督、若松孝二監督、是枝裕和監督や音楽家の坂本龍一さんらが受賞しています。

屋外に設置されているメイン会場「映画の殿堂」は、満席の観客に埋めつくされ、途切れることのない歓声と拍手に沸いていました。レッドカーペットに登場した黒沢監督は、詰めかけたファンたちに笑顔で手を振り、カメラを向けられると丁寧に応じられていました。ヴェネチア、トロントでも熱狂的なファンに迎えられてきましたが、釜山でもその人気ぶりは健在。

セレモニーがスタートし、黒沢監督の授賞式へと進むとスクリーンには、ポン・ジュノ監督と濱口竜介監督からサプライズでお祝いのメッセージビデオが!影響を受けた人物として黒沢監督の名を挙げているポン・ジュノ監督は「黒沢監督の長年の、そして筋金入りのファンとして、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞の受賞、心からお祝いを申し上げます。『CURE』『回路』『トウキョウソナタ』『アカルイミライ』『クリーピー 偽りの隣人』『散歩する侵略者』・・・私が心の底から大好きな作品ばかりです。黒沢監督は我々に常に衝撃と刺激を与えてきました。」と黒沢愛とともに賛辞を述べられました。

また、濱口監督は、「学生時代からたくさんのことを教わって、今自分が仕事ができているのも黒沢さんのおかげだと思っていて、全てを教わった様なそういう気持ちでおります。これからも恐ろしく、そしてなぜが爽快な映画を作り続けていってほしいと思います。その背中をずっと追いかけます。」と恩師でもある黒沢監督へ感謝のメッセージを送られました。

感激した様子で壇上にあがった黒沢監督。スピーチでは、受賞は予想もしていなかったと前置きしつつ、「僕が映画を撮り始めてもう40年になりますが、僕の映画人生の半分は釜山映画祭に見守られていたと言っていいでしょう。その20年間のキャリアが評価され、このような名誉ある賞をいただけたのだと思います。たいへん感激しております」と、笑顔を浮かべながら映画祭への感謝を伝えました。また、「釜山映画祭の観客は、世界で最もハイ・レベルな観客だと僕は思っている。その方たちに、僕の最新作2本をお見せする為に、僕はまた釜山にやってきました」と、『Cloud クラウド』『蛇の道』と2作上映されることを喜び、そして映画祭の観客への熱い思いを伝えると、場内からもそれにこたえるように、黒沢監督へ惜しみない拍手が送られました。

<黒沢清監督コメント全文>

このような素晴らしい賞をいただき、驚いております。予想もしませんでした。
僕が映画を撮り始めてもう40年になりますが、初めて釜山映画祭に参加したのはおよそ20年前なので、僕の映画人生の半分は釜山映画祭に見守られていたと言っていいでしょう。その20年間のキャリアが評価され、このような名誉ある賞をいただけたのだと思います。たいへん感激しております。

と、ここまでは過去の話でした。みなさんが興味あるのはやはり現在ですよね。僕は今年2本の映画を完成させましたが、その2本が両方ともこの釜山映画祭で上映されます。僕にとってはこれが何よりも嬉しいことです。釜山映画祭の観客は、世界で最もハイ・レベルな観客だと僕は思っておりますが、その方たちに、僕の最新作2本をお見せする為に、僕はまた釜山にやってきました。20年前から僕の作品を見続けてくれている方も、今回初めてご覧になる方も、どうぞ楽しみにしていてください。

本日はありがとうございました。


<ポン・ジュノ監督 メッセージ全文>

黒沢監督の長年の、そして筋金入りのファンとして、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞の受賞、心からお祝いを申し上げます。

『CURE』『回路』『トウキョウソナタ』『アカルイミライ』『クリーピー 偽りの隣人』『散歩する侵略者』・・・私が心の底から大好きな作品ばかりです。黒沢監督は我々に常に衝撃と刺激を与えてきました。1人のフィルム・メーカーとして、黒沢監督に今一度感謝をお伝えします。

釜山で素敵な時間を過ごされることを、心の底からお祈りしております。


濱口竜介監督 メッセージ全文

おめでとうございます。学生時代からたくさんのことを教わって、今自分が仕事ができているのも黒沢さんのおかげだと思っていて、全てを教わった様なそういう気持ちでおります。

これからも恐ろしく、そしてなぜが爽快な映画を作り続けていってほしいと思います。その背中をずっと追いかけます。改めて、おめでとうございます。


映画『Cloud クラウド』は、同映画祭のメインプログラムでありその年の話題作や世界で影響力のある監督の新作を上映する「ガラ・プレゼンテーション」部門で正式上映されます。

“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描くサスペンス・スリラー『Cloud クラウド』は、現在絶賛公開中です。ぜひ劇場でご覧ください。

<劇場情報はこちら>

©2024「Cloud」製作委員会