イタリア現地時間8月30日(金)=日本時間8月31日(土)に、第81回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペ部門にて、『Cloud クラウド』のワールドプレミア上映が行われ、黒沢清監督が出席しました。上映に先駆けて実施した記者会見の様子とともにレポートします。
現地時間8月30日(金)14:45ごろ、プレミア上映に先駆けて行われた記者会見には、黒沢清監督と荒川優美プロデューサーの二人が出席。記者会見直前に、第 97 回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に選ばれたことが発表された本作。そのニュースは既にイタリアにも届いており、司会者からお祝いの言葉を贈られた黒沢監督は、「本当に純粋な娯楽映画を作ろうというところからスタートした作品です。まさか今回のヴェネチア国際映画祭への出品も含め大きな名誉みたいなものと縁があるとは思っていなかったので、もう大変驚いています。それと僕の大きな楽しみは、この作品がアカデミー賞にノミネートされるようなことがもしあれば、主演の菅田将暉さんが、 アメリカで大いに知られることになるだろうと想像すると、とてもそれは嬉しいことです」と喜びとともに、今回タッグを組んだ菅田将暉さんとアカデミー賞の場へ立つ夢を語りました。
1997年に発表した『CURE』で世界から大絶賛され注目されつづけている黒沢監督は、2001年に発表したJホラーの金字塔ともいわれるインターネットを題材にした『回路』を発表。本作でもネット社会を描いていることから、『回路』に絡めて『Cloud クラウド』の成り立ちについての質問が。黒沢監督は、「当時は、インターネットというものがまだ不気味でその中に何か邪悪なものが潜んでいるのではないかというフィクションが、妄想の中で成立した時代でした。それから20数年経った今、インターネットはごく当たり前の、 誰でも使う普通のツールになっていると思います。ただ、当時は未来はひょっとすると美しい平和な楽しい世界なのかもしれないと思えていたものが、今や先が見通せない。 貧しい人もお金持ちの人も、歳をとった人も若い人も、全ての人の間に”なにか”が積もっていってるような気がします。 その人間の心に中にある”欲求不満”あるいは”歪み”のようなものが、インターネットを通して異常に増幅され、集結してしまう。 そういう現象は20数年前は考えられなかった。人間の心の中こそが今、やはり問題で、インターネットはそれを象徴的に表してると考えています。この発想がこの映画の原点になっています」と語りました。菅田将暉さん演じる吉井の転売ヤーという設定については「知り合いに転売をやってる男がいたことがきっかけです。彼は別に悪いことをしてるというわけではなくて、ただ大きな組織の中で働くということが苦手で取り立てた何か才能があるわけではなく、もちろんお金があるわけでもない。それでも現代の社会で生きていこうとするときに、ひとつの生き方だと思いました。資本主義の冷たい現実があって、いかにもそのような現代を象徴する仕事だと思い、主人公を転売屋という設定にしました」と現代社会に切り込み解説。
さらに、本作がもつ現代性を荒川プロデューサーは、「実際、日本でも、私たちがその企画を始めた6年前にはなかったような事件、突然見知らぬ人から襲われるといった事件が日常的に起こるようになりました。あえてそれを狙って作っていたわけではないのですが、世相と本作がどんどん近づいていき、最終的にとても現代的なテーマを持つ作品になりました」と続けました。
そして、本作の主演・菅田将暉さんの話題に。黒沢監督は、「菅田将暉さんは、その世代で人気・実力ともにも圧倒的にナンバーワンの俳優です。彼はあらゆる役を演じ分けることができる人です」と菅田の魅力を世界のジャーナリストにアピール。さらに、「主人公は曖昧な人にしようと考えていました。映画の主人公は、分かりやすく特徴的なキャラクターがあったり、喜怒哀楽をはっきり表したりする方が特にこういったジャンル映画の場合は都合がいいのですが、今回は<普通の人>でいきたい。それが僕の希望で、チャレンジでした。いい人か悪い人か、<普通の人間>が持ち合わせてる濁った曖昧な感じを、菅田将暉の非常に高度な演技力があれば、曖昧さが曖昧さとしてそのまま観客に伝わるんじゃないかなと思い、彼以外にない!と考えていました。僕は見事にそれに応えてくれたと思います」と吉井の役どころの難しさを説きながらも、大絶賛しました。
荒川プロデューサーは「黒沢監督の長いフィルモグラフィーの中で、90年代はVシネマ、2000年代はJホラーを中心に、2010年代は原作ものを職人監督として面白く撮る、といった時代ごとに変遷がありますが、図らずも今年は、本作をはじめ黒沢監督の原点回帰とも言えるような作品が続きます。黒沢監督の作品は常に集大成と言われることがよくありますが、そうではなく、黒沢監督は常に新しいことに挑戦し続けている監督だと私は思っています。この作品をきっかけに次の黒沢監督の新しいフィルモグラフィーが続いていくことになれば嬉しいです」と、”今”を更新し続ける黒沢作品への思いを伝えました。
さらに、世界のジャーナリストからの質問も続き、黒沢作品への熱い期待と興味が尽きない中会見は終了。終了後は、世界から愛される黒沢監督だけに、サインを求める記者たちの行列ができるほどの人気ぶり。
そして、いよいよレッドカーペットに黒沢監督が登場!国際映画祭の常連だけあり「KUROSAWA!」コールも起き、記者会見に引き続き、レッドカーペットに待ち受ける世界中の映画ファンの声援とサインの要望に応えていました。
黒沢監督は、レッドカーペットのゴールで待つ、黒沢ファンだという映画祭ディレクターのアルベルト・バルベーラに出迎えられ熱い握手を交わしヴェネチア国際映画祭のメイン会場であるSALAGRANDEへ。場内では、黒沢監督が登場するや待ちわびていた観客たちから熱気を帯びた拍手が贈られ上映前から既に大盛り上がり!
現地時間23:55から上映スタートのミッドナイト上映にもかかわらず1032席を埋め尽くし満席に!上映終了後も、さらにテンションの高いスタンディングオベーションが湧きおこり、鳴りやまない熱い拍手喝采の中、黒沢監督は照れた表情を見せながらも安堵したような笑顔で応え、会場を後にしました。
第 97 回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品、主演:菅田将暉×監督・脚本:黒沢清がおくる、“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描くサスペンス・スリラー『Cloud クラウド』は、今年 9 月 27 日より全国劇場にて公開です!ぜひご期待ください。
この度、本作が、第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に決定いたしました。
現在、第81回ヴェネチア国際映画祭へ参加している黒沢清監督からは「純粋な娯楽映画として作った作品にこのようなチャンスが与えられ、大変な驚きです。ひょっとして菅田将暉の存在が来年、全米に知れ渡るかもしれないと想像すると、これほど痛快なことはありません」と、そして、主演・菅田将暉さんからは「ありがとうございます。おめでとうございます。映画の中とは真逆で、嬉しいニュースだらけの映画「Cloud」。作品がどんどん広がっていくこと、嬉しく思います。」と、二人から喜びのコメントが到着しました!!
今後は、米国アカデミー会員の審査を経て最終選考の15本が発表され、さらにそこから5本に絞られたノミネート作品が発表され、受賞作が発表される第97回アカデミー賞授賞式は、2025年3月2日に行われます。また、第96回の国際長編映画賞の日本代表作品は役所広司主演の『PERFECT DAYS』がノミネートされ、米・英・ポーランド合作の『関心領域』が同賞を受賞しています。
現地時間の本日(8/30)に行われる第81回ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアにつづき、第49回トロント国際映画祭での北米プレミア、そして9/10のジャパンプレミアを経て、いよいよ来月9/27に全国公開となります!ご期待ください。
本作の撮影で実際に使用した衣装を全国の劇場にて巡回展示いたします!
お近くの劇場に展示された際にはぜひお立ち寄りください。
【衣装展示スケジュール】
8/23(金)~9/1(日)USシネマ千葉ニュータウン/菅田将暉さん着用衣装
8/26(月)~9/8(日)シネマサンシャイン大和郡山/菅田将暉さん着用衣装
8/30(金)~9/8(日)109シネマズ川崎/菅田将暉さん、奥平大兼さん、古川琴音さん着用衣装
9/6(金)~9/15(日)USシネマつくば/菅田将暉さん着用衣装
9/6(金)~9/15(日)横浜ブルク13/岡山天音さん、窪田正孝さん着用衣装
9/6(金)~9/15(日)MOVIX三好/菅田将暉さん、古川琴音さん着用衣装
9/11(水)~9/24(火)シネマサンシャインららぽーと沼津/菅田将暉さん着用衣装
9/13(金)~9/23(月)109シネマズ大阪エキスポシティ/菅田将暉さん、古川琴音さん着用衣装
9/20(金)~9/29(日)USシネマ木更津/菅田将暉さん着用衣装
9/20(金)~9/29(日)広島バルト11/岡山天音さん、荒川良々さん、窪田正孝さん着用衣装
9/20(金)~9/29(日)MOVIXあまがさき/菅田将暉さん、古川琴音さん着用衣装
9/27(金)~ グランドシネマサンシャイン 池袋/菅田将暉さん着用衣装
10/4(金)~10/13(日)USシネマちはら台/菅田将暉さん着用衣装
10/4(金)~10/13(日)MOVIX柏の葉/菅田将暉さん、古川琴音さん着用衣装
10/18(金)~10/22(日)109シネマズゆめが丘/菅田将暉さん、奥平大兼さん、古川琴音さん着用衣装
※※新たに展示が決定した際は、本ページを更新・公式SNSなどでお知らせいたします。
※開催期間・展示衣装は予告なく変更になる場合がございます。
※展示物の撮影はOKですが、お手を触れる等の行為はお控えください。
この度、映画『Cloud クラウド』とイマーシブ・エンターテイメントとのコラボが決定!本作の世界観をコンセプトに新体験の没入型ミステリーゲームが誕生しました。
今回の映画『Cloud クラウド』×「イマ-シブ」のコラボから生まれたミステリーゲームの名称は、「Cloud クラウド side I(サイド・アイ)」。映画からインスパイアされた<ある事件>を巡るアナザーストーリーが展開され、映画と同じ世界線まさに《クラウド・バース》に身を置いてゲームを体験することができます。プレイヤーが選択する行動によって異なる展開・マルチエンディングが用意されており、 参加者である“あなた”だけのストーリーを楽しむことができる点も本企画の魅力のひとつとなっています。
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<イベント情報>
▶開催期間:9/27(⾦)〜10/31(⽊)
▶開催場所:MARK IS みなとみらい (神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号みなとみらい駅(みなとみらい線)直結)
▶会場HP:https://www.mec-markis.jp/mm/
▶受付場所: 5F ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい入口付近
▶所要時間:1時間30分程度 ※進行状況により最大でも15分程度遅れる可能性がございます。
▶参加人数:1組あたり1名-4名 ※他のお客様との同席はございません。
▶持ち物:LINEを使用できるスマートフォン
▶支払い:予約システムよりクレジットカード決済
▶イベント特設サイト
<あらすじ>
副業で始めた転売ビジネスが軌道に乗り、本業を辞める決意を固めたあなた。
そんな折に、知人から組織的な転売の誘いを受け、”MARK IS みなとみらい”に集合する。
知人は既に仕事に取り掛かっていて姿が見えず、あなたはLINEで送られてくる指示に従って行動を開始する。
施設の警備員に話しかけられたり、突発的なアクシデントに遭遇しつつ、あなたは次々と指令をこなしていくのだが、次第に事態は予測不能な方向へと進んでいくのだった……。
<本企画の主催者「イマーシブ・ラボ」担当者コメント>
イマーシブ・エンターテイメントは、現実とフィクションの境界を越え、人々が深い感情移入やつながりを感じる場を提供します。今回、『Cloud クラウド』の世界観とリンクする体験により、映画鑑賞とイマーシブ体験の双方に付加価値が生み出され、みなさんの日常によりワクワクする体験をお届けできればと思っています。
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さらに、本企画の開催を記念して“MARK IS みなとみらい”と本作のタイアップ・キャンペーンも決定!施設内の映画館「ローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらい」で本作を鑑賞すると、先着1000 名でオリジナルステッカーがもらえます!
「Cloud クラウド side I(サイド・アイ)」、ぜひ映画とともにお楽しみください。
映画『Cloud クラウド』はいよいよ9/27(金)より公開!
劇中に登場するキャラクターたちの持つ“心の闇”を、それぞれの劇中セリフによって浮き彫りにしていく<人怖(ひとこわ)>キャラクターポスター全6種が解禁になりました!
それぞれのポスターに添えられたセリフからキャラクターたちの人物像やシーンを想像しながら楽しめるデザインとなっています。
ジャパンプレミア開催決定!
この度、メインキャストと黒沢清監督が撮影後初めて一同に揃う、豪華ジャパンプレミアの開催が9月10日に決定しました!本イベントのチケットはチケットぴあにて販売いたします。詳細はこちらからご確認ください。
<日時>
2024年9月10日(火)18:15の回 ※上映前 舞台挨拶
<会場>
TOHOシネマズ六本木ヒルズ
〒106-0032 東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内
※劇場アクセスマップはこちら
<登壇者>
菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督
※敬称略
※登壇者は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
<チケットご購入について>
チケットぴあにて販売いたします。詳細はこちらからご確認ください。
■先行抽選プレリザーブ
受付期間 8月29日(木)AM11:00 ~ 9月5日(木)AM11:00
結果発表 9月5日(木)18:00頃から順次
■一般販売
9月6日(金)AM10:00 ~ 9月9日(月)16:00まで
※予定枚数に達し次第、販売終了
<料金>
特別料金2,500円均一
※プレミアボックスシート ご鑑賞料金+1,000円
※プレミアラグジュアリーシート ご鑑賞料金+3,000円
<購入制限>
お一人様2枚まで
<一般発売に関する注意事項>
※チケットぴあサイトWEBのみの販売となります。
※決済方法はクレジットカード・後払い Powered by atoneのみとなります。
※お席はお選びいただけません。
※毎週(火)・(水)2:30~5:30は、システムメンテナンスのためお申し込みいただけません。
※チケット料金・各種手数料は税込表示です。
※チケット購入に関するお問合わせは、http://t.pia.jp/help/ までお願いいたします。
<残席がある場合の対応について>
9/10(火)0:00より劇場オンラインチケットシステムにて、劇場オープン時刻より劇場窓口にて販売いたします。
※オンラインにて完売した場合、劇場窓口での販売はございません。
<その他ご鑑賞についての注意事項>
※特別興行の為、ムビチケカード他、前売鑑賞券・各種招待券は、ご使用いただけません。
※お席はお選びいただけません。
※全席指定席となります。チケットをお持ちでない方はご覧になれません。
※いかなる場合においても舞台挨拶中の途中入場は固くお断りいたします。
※場内でのカメラ(携帯電話含む)・ビデオによる撮影、録音等は固くお断りいたします。
※会場内ではマスコミ各社の取材による撮影、記録撮影が行われ、テレビ・雑誌・ホームページ等にて、放映・掲載される場合がございます。また、イベントの模様が後日販売されるDVD商品等に収録される場合がございます。予めご了承ください。お客様の当催事における個人情報(肖像権)については、このイベントにご入場されたことにより、上記の使用にご同意いただけたものとさせていただきます。
※インターネット・オークションへの出品その他の転売目的での入場券の購入及び転売はお断りします。
※営利を目的として転売された入場券及びインターネットを通じて転売された入場券は無効とし、当該入場券による御入場はお断りします。
※イベントの予定は、急遽変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※いかなる事情が生じましても、ご購入後・お引き換え後の鑑賞券の変更や払い戻しはできません。
※イベント上映のチケットを、プレイガイド(チケットぴあ、ローソンチケットなど)でご購入されたシネマイレージ会員様は、劇場チケットカウンターでご鑑賞当日にシネマイレージの鑑賞履歴をご登録いただけますので、お立ち寄りください。(TOHOシネマズのみ)
※車いすをご利用のお客さまは車いすスペースでのご鑑賞となります。車いすスペースには限りがありますので、ご利用人数によっては所定のスペース以外でご鑑賞いただく場合がございます。
8月28日からおこなわれるヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアにつづき、9月には第49回トロント国際映画祭での北米プレミアも決定している『Cloud クラウド』。この度、新たなシーン写真6点が解禁となりました!
菅田将暉さん演じる吉井が何者かに銃を突きつけられているシーンや、口をガムテープで塞がれた吉井の周りで、怪しげな男たちが黙々と何かの撮影の準備をしているシーン、そしてこの映画のために免許をとった奥平大兼さん演じる佐野が車を運転するシーンも。さらに謎の覆面男が吉井の部屋を破壊していくさまを捉えたシーンや苦悩する吉井、窪田正孝さん演じる村岡と吉井がベンチで語り合う不穏な空気が漂うカットなど、“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描くサスペンス・スリラーの片鱗が垣間見える場面写真となっています。
また、今作のサントラ&シナリオを収録した「Cloud Book」の発売も決定!!
黒沢清監督が手がけたシナリオと、本作の劇伴を手がけた音楽の渡邊琢磨さんによるサウンドトラックを収録し、スペシャルインタビューも収録した、“文字と音で観る”「Cloud Book」が数量限定で9月30日に発売となります。これまで「黒沢清、21世紀の映画を語る」などの書籍も出版してきたboidによる編集・刊行で、デザインを本作のロゴやビジュアルも手がける大島依提亜さんが担当した贅沢な一冊。
『Cloud クラウド』は9月27日(金)より全国の劇場にて公開!お楽しみに!
この度、現地日程9月5日(木)~9月15日(日)に開催される第49回トロント国際映画祭センターピース部門への正式出品が決定しました。先日発表された世界三大映画祭のひとつ第81回ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映に続いて、北米最大の国際映画祭で映画『Cloud クラウド』がプレミア上映されます。
今年で49回を迎える「トロント国際映画祭」は、カナダ最大の都市・トロントで開催される北米最大規模の来場者数を誇る映画祭。“オスカーレースの前哨戦”として世界中から注目を集めています。黒沢清監督作品としては、1998年に『CURE』(97)で初めて同映画祭に選出、翌99年に「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」という特集上映が行われて以来、『回路』(91)、『トウキョウソナタ』(08)、『贖罪』(12)、『岸辺の旅』(15)など、作品を発表するたびに招待されている縁の深い映画祭。
トロント国際映画祭プログラマーのジョバンナ・フルヴィ(Giovanna Fulvi)氏は、「『Cloud』を招待することができ、大変嬉しいです。本部門は、トロント国際映画祭の核といえる部門で、世界中から高く評価されている作品や、日本を代表する映画監督である黒沢清監督のように、世界へ影響力のある方の最新作をお披露目しています。『Cloud』の魅力的な物語は現代的な恐怖と共鳴しており、いかにして些細な恨みが制御不能な暴力にエスカレートしていくかを描いています。主演・菅田将暉さんの説得力ある演技によって、この映画は一種の教訓的な話でありながら、ネット上の悪意に実生活を脅かされる恐怖が存在している、現代のメディア環境の“カオス”を、スリル満点に体験できる作品に仕上がっています。黒沢清監督の最高傑作!」と激賞コメントを寄せてくれました。
また、宝島社から本作のノベライズの発売も決定!小説家として活躍し、これまでに『怪物』、『アルキメデスの大戦』、『そして父になる』などのノベライズを手掛けてきたライターの佐野晶氏によって、黒沢清監督が創り上げた映画『Cloud クラウド』の世界が、豊かに拡げられている。ノベライズは、宝島社文庫より9月4日(水) に発売となります。
ロックバンド[Alexandros]の書き下ろし楽曲「Boy Fearless」を使用した予告映像が解禁となりました。年間約200本もの映画を鑑賞するほど映画好きで有名な[Alexandros]の川上洋平は、かねてより黒沢清監督の大ファン。インスパイアソングのオファーを受けて今回のコラボレーションの依頼を即決。不気味なギターリフと焦燥感を煽るような重低音で構成された楽曲「Boy Fearless」を作り上げました。
この楽曲を聞いた黒沢監督は、「 [Alexandros]の曲を聞き、凄いスピードで物事が次々と進行する快感と不安とを同時に感じました。もっと先が知りたい、でも知るのが恐い… それはまさに私がこの映画で観客に味わって欲しかった感情そのものです。見事という他ありません。映像だけではどうしても曖昧になってしまう表現を、音楽は時に驚くほど正確に伝えることができるのでしょう」と大絶賛。そして「Boy Fearless」が、9月18日にリリースされる[Alexandros]の最新シングル「SINGLE 2」に収録されることも決定しました。
解禁された予告映像は、「転売ヤー」としての日常を送る主人公・吉井(菅田)の日常を活写するシーンからスタート。「どこかがおかしくないですか」「馬鹿にしやがって」と、ただ自分の利益を求め、手段を選ばない吉井が無自覚にばら撒いた“憎悪”に対する言葉たちがネット社会の闇へ吸収され、気がつけば「こいつ殺す」と、ネット社会で憎悪の標的になっていた…。「どんどん、沸き上がってる。同じような人間が。空の雲みたいに。」と、映画のタイトルを連想させるような意味深なセリフが差し込まれると舞台は一変。“見えない悪意”が暴走し、実体化した匿名集団による“狩りゲーム”へ。標的となった吉井に次々と危険が降りかかる…。吉井を演じた菅田将暉さんがかつてないほど追い込まれ、緊迫感にあふれる予告となっています。鋭い眼光を向ける窪田正孝さん、古川琴音さん、奥平大兼さん、岡山天音さん、荒川良々さんらの不穏な表情にもご注目ください。
映画『Cloud クラウド』が、現地時間8月28日から9月7日まで開催される第81回ヴェネチア国際映画祭に正式出品されることが、本日開催された同映画祭の記者会見にて発表されました。本映画祭での上映が、本作のワールドプレミア上映となります。
カンヌ、ベルリンと並び世界三大映画祭のひとつであり、もっとも歴史あるヴェネチア国際映画祭。黒沢清監督作品としては『大いなる幻影 Barren Illusion』(99)、『叫』(06)、『贖罪』(12)、『スパイの妻』(20)に続く5度目の選出となり、『スパイの妻』では銀獅子賞(監督賞)を受賞しています。記者会見では、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベーラ氏が、本作を「記者会見では、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベーラ氏が、本作を「ヴェネチアを過去幾度となく訪れている黒沢清監督が、今回は新作『Cloud』とともにヴェネチアに戻ってきます!ここ数年で最も多作な日本人監督の1人である黒沢監督ですが、本作では、彼を世界中の映画ファンの間で熱狂的な人気監督に押し上げた、過去の映画で探求したテーマと物語へ原点回帰しています。本作でも前半は現代的なアプローチで始まりつつ、後半はユーモアを交えたガンアクションパートが続き、とびきりクールなラストを迎えます。本映画祭のミッドナイト上映にピッタリの映画だと思います。」と紹介しました。
今回の正式出品に際して、黒沢清監督は「シンプルな娯楽映画を目指した作品がヴェネチアに選ばれたと聞き、たいへん驚いています。菅田将暉の善人とも悪人ともつかない絶妙な両義性が、この幸運を引き寄せてくれたのでしょう。」と喜び、主演の菅田将暉さんは「黒沢監督の作品で、海外の映画祭に行くことをずっと夢見ていました。感謝です。大いに楽しんでもらえることを願っています。」とコメント。
映画『Cloud クラウド』は、アウト・オブ・コンペティション部門での上映となり、同部門では、昨年23年にはウェス・アンダーソン、ハーモニー・コリン、リチャード・リンクレイターといった人気監督の最新作が上映されており、22年にはA24製作・配給の『Pearl パール』(タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演)、21年には『デューン/砂の惑星』(ドゥニ・ウィヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演)など、映画ファンに支持されるエンターテイメント性の高い作品を紹介している華やかな部門となります。
映画『Cloud クラウド』 本ポスタービジュアルが解禁!あわせてシーン写真6点も解禁となりました。また7月12日(金)から特典⚠転売禁止⚠クリアファイル付きムビチケカードも発売開始となります。
ムビチケカードは、海外用のポスタービジュアルと同様のデザインとなり、「WE ARE ALL UNDER A CLOUD(人は憎しみから逃れられない)」と英語コピーが記されています。特典は、緊迫した様子で何かを一心に見つめる転売ヤー・吉井の横顔の上に浮かぶように「Cloud」ロゴがデザインされ、「NOT FOR SALE」でなく「NOT FOR RESALE」と記されたその名も「⚠️転売禁止⚠️クリアファイル」となっています。
⚠️転売禁止⚠️クリアファイル付ムビチケカード(前売券) 一般 ¥1,600(税込)
7月12日(金)より全国の上映劇場(一部劇場除く)、メイジャーサイト等にて発売開始!
特典内容:クリアファイル (A5サイズ)
今回解禁された本ポスターは、「何か」に向かって銃口を向ける菅田が演じる主人公の吉井の横に、「(君も)狙われている」と狙われているのは自分だけではないと伝える意味深なビジュアルに。本作で初めてガンアクションに挑戦したという菅田将暉さん。これまで撃たれる側の演技は経験したことはありましたが、銃を撃つ演技ははじめて。かつてガンアクションを撮りまくってきた黒沢清監督による熱血指導を受けた、菅田さんの銃の扱い方にもご注目ください。
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