ついに27日に公開初⽇を迎えた『Cloud クラウド』。翌⽇28⽇(⼟)に公開記念舞台挨拶を実施いたしました!当⽇は、主演・菅⽥将暉さんをはじめ、奥平⼤兼さん、岡⼭天⾳さん、荒川良々さん、窪⽥正孝さん、そして黒沢清監督が大集結!ついに公開を迎えた喜びや、撮影時のエピソードを語りました!
昨⽇27⽇(⾦)に公開初⽇を迎えたばかりの本作。菅⽥さんは映画を⾒終わったばかりの客席を⾒て、「公開2⽇⽬からこうやって劇場に来てくださってありがとうございます。無事に公開ができて、お客さんが⼊っている景⾊を⾒られて嬉しいです」と感慨深い様子でした。
奥平さんは「昨⽇から公開ということで、(ネットで)感想を⾒たりとかしていて、すごくいろんな感想があって⾯⽩いなと思っていました」と観客にどう届いているかを気にしているよう。岡⼭さんは「この『Cloud クラウド』という不思議な形をした映画が、ようやくこうしてみなさんに届き始めたことを本当に嬉しく思います」と挨拶し、荒川さんは「すっかり秋めいてまいりました…。芸術の秋ということで『Cloud クラウド』をよろしくお願いします」としみじみと語って会場の笑いを誘い、窪⽥さんは「貴重な⼟曜⽇にこの『Cloud クラウド』のために集まってくださりありがとうございます」と満員の客席に感謝の気持ちを述べていました。
そして、⿊沢監督は、ともに登壇した豪華キャスト陣を⾒つつ「映画の中では、みんなひどいことばっかりしましたが(笑)、このように、実はいい⼈たちばかりですので、そこは誤解のなきようによろしくお願いします」と語り、会場は笑顔と公開を祝う⼤きな拍⼿に包まれました。
本作は公開前に第 81 回ヴェネチア国際映画祭や第 49 回トロント国際映画祭など各国の映画祭で上映されてきましたが、⿊沢監督によると国ごとに観客の反応は様々で、ヴェネチアでは「怖い」という反応が多かった⼀⽅、トロントでは思いもよらぬシーンで笑いが起こることもあったそうです。そこで、この⽇の観客に「怖かった」と「笑えた」のどちらの印象が強かったかを拍⼿で聞いてみると・・・圧倒的に「怖かった」というお客さんが多数︕ ちなみに、登壇陣の中で「怖かった」という印象が強かったという奥平さんは「窓ガラスがバーンっとなったり、家の外で物⾳がして、(菅⽥さん演じる)吉井さんが『なんだ︖なんだ︖』みたいになるところが、『何かいるのかな︖』というドキドキ感があって怖かったです」と明かし、菅⽥さんも「⾒られてるような背中のカメラワークが怖いよね」と同意し、奥平さんも「振り向いたら何かいるのかって想像しちゃって怖いです︕」と互いにうなずき合っていました。
また、窪⽥さんが怖かったシーンの⼀つとして「(吉井の勤務先の社⻑役を演じた)良々さんが、窓の外から(じっと)⽴って⾒ているシーンが怖い」と指摘すると、⼀同「あれは怖い︕」と即座に同意。菅⽥さんは「現場でもめっちゃ怖かったですもん。しかもあの⽇、(荒川さんと)挨拶をしないまま、初対⾯だったので」とふり返ったが、荒川さんは「ただ『⽴っててください』と⾔われただけです、僕は(笑)」と困ったような笑みを浮かべていました。
⿊沢監督は、お気に⼊りのシーンとして、菅⽥さん演じる吉井が最後に⾒せる表情に⾔及し「最⾼でしたね。あれだけのことをやっておきながら、ほんの⼩さな幸せにすがろうとする⼈間の情けなさ、愛らしさが⼀瞬出てくる。すごく胸を打ちました」と菅⽥さんの芝居を絶賛。⼀⽅の菅⽥さんは、⾃⾝が拘束されたシーンに触れて、「“悪の軍団”のみんなが、僕が拘束されている⽬の前で、どうでもいいことで、揉めるんですけど、それが、⼈間の極限の状況での⼩ささや情けなさが⾒えて⾯⽩い」と語りました。ちなみに“悪の軍団”のひとりで、岡⼭さん演じる三宅は、顔に袋をかぶって上から⽑が⾶び出しているビジュアルが予告編やポスターでも強烈なインパクトを放っていますが、岡⼭さんは「実はあの被り物は何パターンかあって、⽬の位置なども微調整してるんですけど、まさかあんな感じとは…。ほぼ顔が出ないってなかなかないですよね」と楽しそうに述懐。⿊沢監督は「美術部が作ってくれたんですけど、本当に安っぽい感じで、袋も乗っている⽑も 100 円で買えるんです。袋だけだと味気ないので『もう⼀発、100 円で何かないですか︖』と聞いたら『⽑が100円で売っています』と」と驚きの内幕を明かし、菅⽥さんも「誰でも200円で三宅になれるんだ︕」と驚いていました。
この⽇は、映画にちなんで、登壇した皆さんに本作の現場やプロモーションで「おびえた」エピソードを尋ねると、菅⽥さんは「⼤兼くんの私服にはおびえました。この世の 20 代で⼀番個性があるんじゃない︖」と奥平さんの個性あふれるファッションセンスを絶賛。「緑系で統⼀している⽇があって、カッコよかったし、(服が)本当に好きなんだろうなと感じました。ハルクみたいになってました」と語り、⿊沢監督も「覚えています。何者かと思いました」と述懐。菅⽥さんはさらに「勝⼿に“かまされた︕”と思いました。『先輩、TシャツとGパンで来てんじゃねーよ』と⾔われてる気がしました(笑)。あれはぜひ続けてほしいです」と⼒強いエールを送っていました。岡⼭さんは、現場でのおびえたエピソードとして「良々さんとは『はじめまして』だったので、現場でご挨拶をしに⾏こうとしたら、良々さんから『ひさしぶり︕』と⾔われて…」と告⽩。実際には、荒川さんの勘違いだったようで、この⽇が初対⾯だったそうですが、岡⼭さんは「『え︖ ヤバい︕どこかでご⼀緒してるんだ︖』と思って、僕も『はい』って返事して(笑)、セッティング中に携帯で“荒川良々 岡⼭天⾳”って検索しました」と当時の焦りと恐怖を明かしてくれました。荒川さんは「場を和ませようと思ったのかな(笑)。失礼しました」と平謝り。仲睦まじいエピソードを披露してくれました。
さらにこの⽇のトークでは、「良い意味で裏切られたと思った⼈」「いまだから聞きたいことがある⼈」という質問に、お互いに“指差し棒”で指してもらうコーナーも実施!菅⽥さんは、「良い意味で裏切られた⼈」として⿊沢監督を指して「フランクにこんなしゃべってくださるのが意外でした」と、初参加となった黒沢組での監督の印象を振り返りながら話してくださいました。⼀⽅、⿊沢監督は窪⽥さんを指して「初めてお仕事させていただきましたが、何となくクールで物静かな印象がありました。僕は、ピストルが出てくる映画は何本も撮っていますが、現場でピストルを握って、あんなにはしゃいだ⼈は初めて⾒ました(笑)。それだけ陽気に楽しくふるまってくれました」と明かしてくれました。
続いての「いまだから聞きたいことがある⼈」という問いに関しては、なんと全員の指差しが荒川さんに集中︕岡⼭さんが聞いてみたいことは「名前の由来は︖」という質問。荒川さんは「いまさらその話(笑)︖」と笑いつつ「良(よし)までは本名で、(本名は)良友と⾔うんですけど…、うちの劇団の松尾スズキがつけました」と説明。奥平さんは「普段、何されてるのかなと…。あまりにもプライベートが想像できないので」とストレートな疑問をぶつけ、荒川さんは「普通です。ゲームをしたり」と答え、2⼈で壇上にて⼤好きなゲームの話に花を咲かせていました。
⿊沢監督は、荒川さんが演じた滝本が猟銃を扱うシーンについて「お芝居で(銃を撃った際の)反動をつけてくださいと⾔って、やってもらったら実にうまくて、扱い慣れたように⾒えましたが、相当練習したんですか︖」と荒川さんの演技を絶賛しつつ質問。荒川さんは「実際に撃ったことはないですけど、使い慣れているという設定でしたので、YouTube とかでアメリカの⼈が熊を撃っているところなどを⾒ました」とユニークな役作りを明かしてくれました。
舞台挨拶の最後に菅⽥さんは「まだ公開したところなので、これからどんどん広がってほしいなと願っております」と呼びかけ、⿊沢監督は「ご覧になった⽅は、あまり⾒たことのない映画だと思われた⽅もいらっしゃると思いますが、こういう映画もあると知っていただけたら嬉しいです。みなさんの記憶の奥の⽅に、深くこの映画が残ってくれたらいいなと思います」と語り、会場は温かい拍⼿に包まれて終了しました。
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