『Cloud クラウド』のジャパンプレミアが9月10日(火)に開催され、トロントから凱旋したばかりの黒沢監督をはじめ、菅田将暉さん、古川琴音さん、奥平大兼さん、岡山天音さん、荒川良々さん、窪田正孝さんが舞台挨拶に登壇しました!
ヴェネチア、トロントを巡ってきた黒沢監督は帰国したばかりの時差ボケの状態で登壇。さっそく、各国の映画祭での現地の観客の反応について尋ねると「みなさん、熱心に見ていただけたと思います。映画祭って結構、途中で出て行っちゃう人も多いんですが、ヴェネチアでもトロントでも、誰も出て行かなかったです。ヴェネチアではみなさん、固唾を飲んで見守るような感じで、トロントでは、決して狙っておかしいものをつくったわけではないんですが、『ここで笑うか?』と思うところで笑いが起きていました」と上々の反応だったと明かしました。
主演の菅田さんは監督の報告に「嬉しいですね」とホッとした表情を見せ「それを語っている監督が嬉しそうで嬉しいです」と笑顔を見せました。
ちなみに、本日登壇した皆さんは全員が黒沢組初参加。黒沢組の現場の様子について菅田さんは「毎日、楽しかったです」と語り、さらに「スタッフさんがみんなイキイキされている印象で、助監督さんがエキストラの方の首の振り方を直しに行ったりして、黒沢監督は『どっちでもいいんだけどなぁ…』と言いつつ、スタッフさんが真剣に頑張っている現場というのは見たことがなかったし、楽しそうでした」と雰囲気の良さを明かしました。
古川さんは「カメラワークと連動してお芝居をするシーンも多くて、キャストだけでなくスタッフさんとも息を合わせてつくっていく感じで、緊張感がありました」と撮影当時を思い出しながら語り、主要キャストの中で最年少の奥平さんは「正直、最初はバキバキに緊張していました(笑)。僕がクランクインして3日目くらいに最後のシーンの撮影があったんですけど、緊張し過ぎて、撮影が終わった後に録音部さんから『心臓バクバクだったね』と言われるくらいでした」とふり返りました。ちなみに、奥平さんはとある大事なシーンに関して「前日に、監督から『(奥平さんが演じる)佐野は、菅田さんを超えてほしい』と言われて『うわっ! ヤバいな…』と。メチャクチャ頑張ろうと思いました」と明かしましたが、黒沢監督は「そんなこと言いましたっけ…?」と忘れてしまったよう。「鮮明に覚えてますよ!」という奥平さんの言葉に会場は大爆笑!
岡山さんは「最初に台本を頂いた時から興味深いお話で、メチャクチャ笑えてきちゃいそうな、メチャメチャ怖いような…両極端のはざまを行ったり来たりする印象で、いろんな作品で見ている俳優さんたちによって、現場でそれが再現されて立ち上がっていくのを見て、本当に面白い現場だなとワクワクする日々でした」と充実した表情を見せていました。
荒川さんは「出来上がりを見たら、照明さんやカメラワーク、ひとつひとつのこだわりがすごいなと感じました。鉄砲も出てくるんですけど、本物に見えるような映し方ですごいなと思いました」と感嘆!
窪田さんも「どこかに魔物が潜んでいるような感覚が、お芝居していて常にありました」と初の黒沢組の現場を独特の言葉で表現。集団での、とあるシーンについて「ある共通認識だけで集まっている集団で、そこに結託はなくて、みんな全然まとまってないけど、まとまっている――バラバラで自由だけど、ある一個の目的を持っているだけで行動に移すという。言葉で語られないんだけど、モゾモゾするような感覚がリアルで、なかなか貴重な体験でした」と楽しそうに語ってくださいました。
黒沢監督は、素晴らしい演技を見せてくれたキャストの皆さんへの感謝を口にしつつ、「強烈に印象に残っていること」として「TVや映画では物静かな印象の窪田さんが、実はこんなに陽気で面白く、楽しい人なのかと(笑)。お芝居では、演じた役は悲惨で残酷だったりするんですけど、窪田さんがいるだけで、カットがかかった瞬間に楽しい現場になって、どの現場にも窪田さんがいてほしいなと思いました」と意外なエピソードを告白。この言葉には誰より窪田さん自身が驚いた様子で「明るかったですか? ホントですか?」と照れくさそうな表情を見せていました。
なお、本作はホラー作品の中でも心霊などではなく、人の所業が怖い――“ヒトコワ系”とされていることにちなんで、本作にまつわる“ヒトコワ”エピソードを尋ねられた菅田さんは「この映画の(関係者向けの)試写会に荒川さんが筒状のものを持っていらっしゃって、それを人に配っていたんです。僕も2つもらって、家に帰って開けてみたら、この映画にも出演されている赤堀雅秋さんのカレンダーでした(笑)。めくれども、めくれども赤堀さんが出てくるというカレンダーで、メチャクチャ怖かったです」と語り、会場は再び大爆笑。
また、映画のキャッチコピー「気がつけば標的」にちなみ「気がつけば○○」を皆さんがフリップで発表! 黒沢監督は「(気がつけば)“最年長”」と書かれたフリップを見せ「ハッと気づくと現場で一番年上になっていました。電車に乗っていても、シルバーシートが空いてて『誰か座らないのかな』と思ってハッと振り向くと、車両の中で僕が一番年長だったり…」と明かしました。
窪田さんは、先日ご自身のインスタグラムに投稿した、コリをとるための鍼治療の写真がニュースで取り上げられたことに触れつつ「(気がつけば)“スピ認定”」と語り「鍼をいっぱい打った写真を上げただけで『あいつはスピリチュアルに行ってしまった』とか『オカルトのやべぇヤツ』認定されて、気づいたら標的になっていました。SNS怖いです」と苦笑されながら、人間の怖さを実感した体験を語ってくれました。
荒川さんは「(気がつけば)“一人”」と書かれたフリップを手に「友達4人くらいでご飯に行って『もう一軒行こうか』と言っても、一人帰って、また一人減り…気づいたら『あれ? 一人?』となっていました」と明かしそれを聞いた他の皆さんも思わず笑ってしまう場面も。
岡山さんの回答は「(気がつけば)“迷子”」。ランニングが好きで地方に赴いた際も走ることがあるようで、夜中に走っているうちに「迷子になっちゃって…。走り続けたらコンビニがあって、店員さんに(道を)聞いて帰ったら、3時間くらい経っていて、足の爪が紫になっていました。めっちゃ痩せました(苦笑)。散歩に出たら迷子になってタクシーで帰ったり、ちょくちょくあります…」と苦難を明かしました。
「(気がつけば)“耳かき”」とフリップに書いた奥平さんは、耳かきが好きすぎて、気づいたら耳の掃除をしているとのこと。「やり過ぎるとダメって聞くんですけど、好きなものだからしょうがないかと…。映画やドラマを見ていて、気づいたら耳かきをしています」と意外な趣味(?)を明かしてくれました。
古川さんは「(気がつけば)“標的”」と本作のコピーそのままの回答を発表したが、古川さんを狙うのは、カワイイ愛猫!「飼っている猫にドアで待ち伏せされて、よく驚かされるんです。あとは高いところから肩に乗るのが好きみたいで、いつどこから猫が降ってくるかわからないです(笑)なので首や背中にいつも引っかき傷が…。」と愛らしいエピソードを披露。
そして、大トリの菅田さんの答えは「(気がつけば)“緊張”」。菅田さんは、本作の撮影に際して、自身も気づかないほど緊張していたそうで「クランクインの前日にピーラーでサツマイモをむいていたら、指の肉ごとバーッといっちゃって…(苦笑)。『明日、インなのにどうしよう?』と思ってたら、今度はご飯を食べていたら奥歯が割れました…。すごい噛みしめていたんでしょうね。あとは現場中に一度、ヒゲを半分剃り落してしまったり…。(撮影のためにひげの長さを調整する)アジャスターを着けて剃っていたはずが、ある日それを着け忘れて剃ってしまったんです。『俺、こんなに緊張してたんだな』と気付きました」とふり返りました。
最後に登壇陣を代表して菅田さんが、これから日本で初めて本作を鑑賞する観客の皆さんに向けて「観る前にタメになるのかならないのかよくわかりませんが(苦笑)、こうしてお会いできてよかったです。映画を楽しんでください!」と力強く呼びかけ、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じました。
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映画『Cloud クラウド』は9月27日(金)より全国ロードショーです。ぜひご期待ください。
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