この度、カナダ、トロントで開催中の第49回トロント国際映画 (現地時間:9月5日(木)~9月15日開催)で映画『Cloud クラウド』の北米プレミア上映が行われ、黒沢清監督が映画祭に参加しました!上映後に実施されたQ&Aの様子とともにレポートします。
トロント国際映画祭は、カナダ最大の都市・トロントで開催、北米最大規模の来場者数を誇る映画祭であり”オスカーレースの前哨戦”としても世界中からの注目を集める映画祭。黒沢清監督作品としては、1998年に『CURE』(97)で初めて同映画祭に選出、99年に「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として特集上映が開催されて以来、『回路』(01)、『トウキョウソナタ』(08)、『贖罪』(12)、『岸辺の旅』(15)など黒沢監督が新しい作品を発表するたびに招待されている縁の深い映画祭でもあり、今回、本作が上映された「センターピース部門」は、国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能あふれる監督の待望のプレミア作品、世界に影響力のある巨匠の最新作などを紹介する部門となっています。
第81回ヴェネチア映画祭への参加後、そのまま直行し、トロント入りした黒沢清監督。上映前には、映画祭アソシエイト・インターナショナル・プログラマーであるジューン・キム (June Kim)に「現代の日本映画界で最も異彩を放ち、爆発的な人気を誇る映画監督」と紹介された黒沢監督は、「トロント映画祭に最初に来たのはもう25年前になります。その間何度も呼ばれて、今日また参加することができ感激しております。」と挨拶。あわせて、第97回米国アカデミー国際長編映画賞の日本代表になったことが紹介されると、約353人収容する会場TIFF Bell Lightbox Cinema 2に集まった観客から歓声と大きな拍手で歓迎を受けました。
上映終了後に行われたQ&Aでは観客から盛大な拍手で迎えられた黒沢監督。さまざまな質問が飛び交う中「登場人物たちにとって「天国」とはどのようなものだと思うか?」と哲学的な質問が向けられると、「ちゃんとした答えは考えておきますが、撮影現場はとっても楽しく、殺される側も殺す方もカットがかかったら皆で笑い合い、天国のように楽しい撮影現場でした。」とキャストと過ごした撮影現場について振り返り、会場を笑いに包む一幕も。その後もQ&Aの質問は絶えまなくつづき、時間内に全て答えることはできなかったが、会場を出てからもサインや写真を求める大勢のファンに囲まれ、大充実の北米プレミアとなりました。
第97回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品、主演:菅田将暉×監督・脚本:黒沢清がおくる、“誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描くサスペンス・スリラー『Cloud クラウド』は、いよいよ 9 月 27 日より全国劇場にて公開です。ぜひ劇場でご覧ください。
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